
近頃はだいぶ減りましたが、訪問販売で自宅に業者が来て、
断り切れずに、つい買ってしまった。。。とか。
「消防署の方から来たものです。」と言われ、
てっきり消防署の職員かと思ったら、消防署がある方向から歩いてきただけの人だった!?とか。
そんな経験はありませんか?
そんなとき、契約したけど取り消したい。
または買ってしまったけど返品したい。など、、、
でも、どうしたらいいか分からない。
なんてことも多いのではないでしょうか。
そんなときの対処法について解説します。
クーリングオフにより契約解除
訪問販売や電話でのセールスなどで、
つい契約をしてしまった。あるいは高額の商品を購入してしまった。
そんな経験はありませんか?
その時は、セールスマンの巧みな話術にはまり、
契約したけれど、よくよく頭を冷やして考えたら、
不必要なものを契約してしまった、と後悔することもあります。
頭を冷やすという語源からきているクーリングオフという制度があります。
これは消費者を保護するためのもので、特定商取引法に定められています。
特定商取引法9条には、
「理由のいかんを問わず8日間以内なら消費者側で自由に解除することができる」
と明記されて、面倒で精神的負担となるような「断る理由を告げる」ことなく、
契約した日付と解除する意思表示することのみで、自由に解除することができます。
注:例外として3,000円以下の商品を買い、代金を全額支払い、商品を受け取っている場合は、
もはや解約することはできません。
尚、特定商取引法には、他にも業者が最初に自分の身元と何を売りに来たのかを、
はっきり名乗ることを義務付けるとともに、申込や契約の際は、書面にて、
連絡先や販売価格等の詳細を消費者に渡すことが義務付けられています。
解除は内容証明郵便を利用
では、具体的な解除方法について解説します。
契約解除するには、口頭で伝えるだけではダメです。
後で言った言わないのトラブルになりかねません。
その意味から「通知書」として書面を作成し、これを発送します。
消費者が契約書を受け取ってから8日間以内に、(受け取った日を1日目と数える)
解約する旨の書面を作成し、証拠が残るように
「内容証明郵便」&「配達証明付き」にて郵便局から発送します。
ポイントは、どんな内容の通知を出したのか、いつ郵便局に配達を依頼したのかを、
証拠として残すことです。これで完璧です。
通知書の書き方
「通知書」には、以下の文言を記載します。
(1)内容証明郵便を発送する日付
(2)業者の住所、名称、代表者名
(3)消費者の住所、氏名
(4)「通知書」タイトル
(5)契約した日付と商品名、購入金額
「~を契約しましたが、今般、本書面をもって契約を解除します。」との文言。
代金を支払っている場合は、続けて、
「支払った金〇〇万円を早急に返還くださいますよう、ご請求申し上げます。」
いかがですか?
非常に簡単な内容ですが、これで事足ります。
訪問販売以外のクーリングオフ
訪問販売以外にもクーリングオフで契約を解除することができるものがあります。
(1)通信販売
広告に「返品できない」の特約表示がない場合には、商品到着から8日間は、
申し込みの撤回及び契約の解除をすることができます。(特定商取引法15条の3、11条4号)
(2)マルチ商法(連鎖販売取引)の場合は、20日間以内なら解除できます。(特定商取引法40条)
(3)電話勧誘販売により契約してしまった場合は、8日間以内に契約解除。(特定商取引法24条)
(4)エステ、外国語会話教室、パソコン教室、家庭教師、学習塾、
結婚相手紹介サービス(特定継続役務提供の場合9は、8日間以内に契約解除(特定商取引法48条)
(5)内職、モニター商法(業務提携誘引販売取引)の場合は20日間以内(特定商取引法58条)
(6)(1)~(5)までの内容に加え、クレジット契約した場合は両社に対して通知を送る(割賦販売法35条)
(7)不動産販売(宅地建物取引業者が売主となり、業者の事務所等以外の場所で契約したときに限る)の場合は、
8日間以内(宅地建物取引業法37条の2)
(8)生命保険、損害保険で保健機関が1年を超えるものを
営業所等以外の場所で契約した場合は8日間以内(保険業法309条)
(9)業者が個人宅を訪問して物品を購入する「訪問購入」について、
訪問販売と同様のクーリングオフが定められた。同じく8日間以内の契約解除(特定商取引法58条の14)
上記のようなカタチでクーリングオフが認められていますので、
もしも訪問販売や電話勧誘などで契約してしまっても、ハンコを押してしまっても、
期間内であれば取り消すことが可能です。諦める必要はありません。
なお、最近ではネット販売も盛んに行われていますが、
この場合は消費者がじっくり吟味する時間を与えられて、
十分な判断をすることができる状況があり、
消費者の側から積極的に契約がなされていることから、
クーリングオフの対象外となっているようです。つまり契約解除することができない。
ネットでの購入については、詐欺などの悪徳業者も多いようなので、
買う側が十分に気をつける必要があります。
内容証明郵便に関するご相談は、お気軽に当事務所へどうぞ