【遺言・相続】意外と知らない検認手続き

生前に自筆証書遺言を書いていた夫が亡くなり、

遺された妻が、その遺言書を持って夫の銀行口座を解約しようと思っても、

銀行で預金の解約手続きをする際に「検認済証明書」がないと、手続きが出来ません。

検認済証明書

この検認済証明書は家庭裁判所に申立てをしなければなりませんが、

必要になってくるものとしては、

1,遺言者の出生から死亡までの戸籍集め

2,検認申立書

3,当事者目録

これらを準備して家庭裁判所に申立てをした後、

「検認済証明書」が出されるまでの期間としては、3か月ぐらいを必要とします。

また相続人全員の署名・押印・印鑑証明なども必要になってくるので、

相続人が多い場合などは、それだけで大変なことになります。

検認は遺言書の改ざん防止差し替えを防ぐために必要になる手続きです。

検認をしないで、遺言書を開けたり、手続きを進めてしまうと、

5万円以下の過料が科せられる場合もあるので、絶対にしてはいけません。

また、遺言書があるのに隠したりしても、

相続権を失う場合もあるので、注意が必要です。

検認のデメリット

検認のデメリットとしては?

1,費用がかかってしまう

  専門家に依頼すると5~20万円ぐらいかかってしまう

2,時間がかかってしまう

  戸籍集めに3~4か月かかってしまう

3,親族の負担

  相続人全員に検認期日通知書が送付され、任意にはなりますが、

  期日に家庭裁判所へ出頭しなければなりません。

  高齢や遠方の方には移動が負担になるかもしれません。

4,申立人は期日に必ず出席

以上のデメリットは、遺言者ではなく相続人の負担になります。

相続人のために書いた遺言書なのに、相続人の負担になるというのは、

なんとも皮肉なものですね。

検認不要な遺言書

さて、そんな面倒な検認手続きが不要になる遺言は2つ

1,公正証書遺言

2,法務局保管の自筆証書遺言

1つ目の公正証書遺言は、費用がかかるということと、

公証人証人に遺言の内容が知られてしまうというデメリットはありますが、

亡くなってすぐに相続手続きを進めることができます。

次に法務局保管の自筆証書遺言ですが、

これは遺言者が亡くなった後に相続人が法務局へ行き、

遺言書情報証明書」を発行してもらえば、相続手続きを進めることができます。

まとめとして

相続人が困らないように書いた遺言書がもとで、

相続人に負担をかけてしまうようなことは避けたいものです。

そこで、たとえ遺言者のひと手間になったとしても、

せっかく作るのなら、検認不要の遺言書を作ることをお勧めします。

遺言・相続に関するお悩みは、お気軽に当事務所へご相談ください。

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