遺言書には、法的に拘束力のある本文と、
法的に拘束力のない「付言事項」とがあります。
本文では、主に相続財産を誰にどのぐらい渡すのかという内容になりますが、
付言事項は特に決められた内容ということはありません。
では、どんなことを書いたらいいのだろう?と疑問に思う方も多いと思われます。
法的拘束力がないので、自由に書くことができるのが付言事項になりますが、
だからと言って、なんでもかんでも、ただ書けばいいというわけでもありません。
それでは、どんなことを書くのが理想的なのか。という視点で見ていきましょう。
付言事項のポイント
遺言書の付言事項に書いておきたいポイントとしては、以下のことが考えられます。
1,遺言書を書いた理由
遺言者がなぜ遺言書を遺そうと思ったのか、その理由を示すことで、
その遺言書本来の意義が深まります。
たとえば、「家族がもめないようにするため」や、
「お世話になった〇〇に報いるために」など、
そこに遺言者の思いを留めることが出来ます。
2,本文を補足する内容
相続財産を分ける際に、気を付けなければならないことの一つに、
法定相続分というものがあります。
この法定相続分というものは、相続でなるべく争わないようにするために、
民法で定められた分配の目安になります。
この分配の割合が極端に違う場合には、
遺言者には、それなりの理由があってのことだと思われます。
たとえば、身の回りの世話をしてくれた人を手厚くして、
遠方にいて縁遠くなってしまった人はそれなりに、という具合に差をつけること、
それは当然に考えられるケースと言えます。
そのような理由を付言事項で補足することにより、
遺言者の思いが相続人に伝えることができ、
相続人も納得することができ、争いを避けることに繋がります。
3,感謝の想い
遺言書が家族に送る「最後の手紙」になります。
「今までありがとう」の一言でもいいので、
感謝の想いを添えるようにしてください。
この一言があるとないとでは、家族の受け止め方も変わってくるものと思います。
まとめとして
遺言書を書かれる目的として多いのは、
やはり家族に揉めてほしくないと思われている方がほとんどです。
その家族への想いが少しでも伝わるように、
付言事項を活用して最後の手紙を書いてみてください。
普段は照れくさくて言えないような言葉も、遺言書の付言事項になれば別物です。
きっと素直に書けると思いますよ。
遺言・相続に関するお悩みは、お気軽に当事務所へご相談ください。