
外国人が日本に入国するためには、ビザ(査証)というものが必要です。
しかし、このビザ(査証)があるからと言って、日本に長く滞在することは出来ません。
ビザ(査証)と在留資格の違い
外国人が日本に長く滞在するためには、
在留資格という、滞在する目的に応じた資格が必要となってきます。
この在留資格には大きく分けると2種類あって、
「身分系」と言われるものと「就労系」と言われるものがあります。
身分系の在留資格
「身分系」在留資格は、身分に基づき在留するものとして以下の4種類があります。
1,永住者
2,日本人の配偶者等
3,永住者の配偶者等
4,定住者
1~3までは、なんとなくわかりそうですが、
4の定住者については、日系三世(日系ブラジル人や日系ペルー人など)など、
「法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定して居住を認める者」となっています。
この「身分系」在留資格者は日本人と同等で、
働くことに対して、労働時間の制限や業界業種などの制限がありません。
これに対して、「就労系」と言われる、就労目的で在留が認められているものには、
なんらかの制限があります。
就労系の在留資格
「就労系」在留資格の中で、8割から9割と、もっとも多いのは
「技術・人文知識・国際業務」と言われるものです。
技術・人文知識・国際業務
「技術」とは理系のITエンジニアや機械エンジニアなどで、
「人文知識」とは文系の企画業務や金融の専門知識を持って従事する人などになります。
「国際業務」とは、通訳翻訳や海外取引の担当者など該当になります。
これら3種類を組み合わせて「技人国」(ぎじんこく)と言われています。
「技人国」資格を取得するための条件として、大事になってくることとしては、
学歴がひとつポイントとなってきます。
「本国の大学又は日本の専門学校卒業者で、
その専攻が就職する職務と一致していること」が条件となります。
特定技能1号・2号
次に2019年に人手不足解消のために出来た新しい在留資格、
それが「特定技能」という在留資格です。
今まで単純労働が認められていなかった外国人の在留資格も、
今回は12業種の分野に限って認められるようになりました。
採用の要件として、外国人には2つの試験に合格してもらわなければなりません。
1,日本語検定試験 N4以上
2,12業種が主催する試験
特定技能1号の在留期間は5年
特定技能2号になると、永続的に在留可能になるが、
現在は「建設業」と「造船行」の2業種のみに特定技能2号があるだけです。
介護
次に在留資格の「介護」についてですが、
3年以上の実務経験が必要で、年1回の試験、
介護福祉士試験に合格することで、在留資格「介護」が取得できます。
「介護」の在留期限は、永続的に在留が可能です。
しかし試験合格は難しく、例えば特定技能資格で日本に入国して、
5年間の在留期間の中で、
3年間実務経験を積み、4年目、5年目で試験に合格しなければならないという、
プレッシャーもあり、なかなか大変な介護福祉士への道とも言えます。
企業内転筋
この「企業内転筋」という資格は、
製造業やIT関係の会社に多い例ですが、
日本に本社があり、ベトナムに海外支社又は工場などがあって、
ベトナムで採用した外国人が優秀な人材で、日本の本社で働かせたいといった場合。
技人国でなく、この「企業内転筋」の資格取得でスムーズに入国させることができます。
宗教
次に「宗教」です。
なじみの深いところでは、神父さんです。
フィリピンや欧米諸国からの入国が以前は多かったのですが、
最近ではアジア系のお坊さんが増えているようです。
ある一定数の同じ国の人が集まると、寺院にお坊さんを招聘しなければならないので、
スリランカやインドネシアなどから来るケースがここ数年増えています。
経営管理
次に「経営管理」です。昔は投資ビザとも言われていました。
会社の事業の経営者・管理者として、実質的に参加している人に付与されるものです。
許可は出たものの、事業計画書通りに会社経営が上手くいかず、
2回目の更新が、なかなか通らないといったことも多々あるようです。
これら以外の在留資格としては、教授・芸術・報道・高度人材などがありますが、
ここでは割愛いたします。
技能実習生
それと「技能実習生」という形で、日本で働く外国人も今現在はいますが、
これは、母国への技術・技能・知識の移転を目的としているため、
就労を目的とした在留資格には入らない位置づけになっています。
将来的には「育成就労」に移行することによって、
労働力として日本に在留できるようになっていきます。
いかがでしたでしょうか。
在留資格と言っても様々あり、日本に住むために外国人は「就労系」や「身分系」
それぞれの在留資格を更新や変更しながら生活をしています。
身近にいる外国人が、どのような在留資格で日本に住んでいるのかを理解し、
在留資格に適した仕事内容になっているのか、
期限が切れていないか、
適切な給与になっているのか等、気をつけなければなりません。
在留資格VISAでのお悩みは、お気軽に当事務所へご相談ください。