
個人でも法人でも契約書等を作るときに、
わざわざ費用や手間をかけてでも、
公正証書にしておいた方が良いと言われることがあります。
では何故、公正証書が勧められるのでしょうか?
公正証書の2つの効力
公正証書が勧められる理由には、主に2つの理由があります。
(1)法律明記の効力
強制執行許諾約款を付した公正証書は、
民事訴訟法や刑事訴訟法に明記された債務名義という
強制執行するための執行力が認められています。(民事執行法22条1項5号)
(2)事実上の効力
「債務を履行しなければ裁判で不利になるかもしれない」
「強制執行をかけられてしまう」
などの心理的な圧力がかかることによって、約束が守られる。
証拠能力がある
トラブルがエスカレートすれば、裁判になることもあり得ます。
裁判では、当事者間での紛争を裁判官という第三者が関与することになります。
事件の経緯や詳細を知らない第三者が事実を理解するためには、
その事実を証明するだけの証拠が必要になります。
形式的証拠力
裁判所に証拠としての文書を提出した場合、
その提出された文書が、偽造されたものでなく、
作成者の意思に従って真正に作成されているものであることが、
認められなければなりません。これを形式的証拠力と言います。
公正証書で作成された文書は、公務員が職務上作成したものと認めるべき時は、
真正に成立した公文書であると推定されます。(民事訴訟法228条2項)
実質的証拠力
裁判において、証拠として提出された文書の形式的証拠力が認められると、
次にその文書の記載内容の真偽が検討されます。
公正証書は、通常の契約書や念書に比べ、
作成までの難易度が高く、わざわざ当事者が公証役場まで行き、
公証人という法律の専門家に依頼をしなければならず、
その状況で虚偽の内容を陳述することは、極めて難しいと言えます。
その意味からも実質的証拠力が高いものと言えます。
まとめ
上記のように、公正証書には効力があり、
当事者間の約束事を履行しなければならないという、
心理的プレッシャーを与えることもできるし、
履行されなければ、事実上の強制執行も可能になります。
また、トラブルの予防とう観点からも重要な役割を果たすと考えられます。
公正証書での作成をお考えの方は、お気軽に当事務所へご相談ください。