
専門学校を卒業する留学生が企業に就職するためには、
在留資格「留学」から該当する資格への変更が必要になります。
しかし、せっかく専門学校を時間と費用をかけて卒業しても
就職しようとする企業での業務内容などによっては、
在留資格の変更が不許可になることもあります。
では、どのような内容だと不許可になってしまうのでしょうか?
外国人を雇用しようとする企業側にとって、
するべきことや反対にしてはいけないこと等、
過去の事例を参考に、不許可にならないための対策として、
参考にしていただければ幸いです。
日本人と同等額以上の報酬がない
日中通訳翻訳学科を卒業し、
輸出入を営む企業に翻訳通訳の業務に従事するということで、
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請をしたが、
同種の業務に従事する日本人が月額20万円であるのに対して、
外国人留学生の契約では月額17万円と、
明らかに差別的な契約であり、
ガイドラインにある申請要件「日本人と同等額以上の報酬」
に違反しているため不許可となった。
十分な業務量がない
情報システム工学科を卒業し、
料理店経営を業務とする企業への就職を内容とする申請で、
従事する予定の業務が、会計・労務・顧客の管理だったが、
従業員規模12名ということで、十分な業務量があるとは認められず、
また、顧客管理の具体的内容は、電話予約の受付及び帳簿への書き込みとの内容で、
「技術・人文知識・国際業務」の該当性がないものとして不許可となった。
申請業務との不一致
べンチャービジネス学科を卒業し、
バイクの修理・改造やバイク関連の輸出入をする企業に就職する内容の申請で、
従事する予定業務としては、バイクの修理・改造だったが、
具体的内容は、フレームの修理やパンクしたタイヤの取り換え等で、
「技術・人文知識・国際業務」の活動に属する
技術又は知識を必要とするものとは認められず不許可となった。
入管法違反
専門学校において、出席率70%であった申請者に、
理由について聞いたところ、病気によるものという説明があったが、
実際のところは、資格外活動に従事していたことが判明して不許可となった。
受け入れの具体化がない
ビルメンテナンス会社へ通訳業務、技術指導業務に従事する目的で申請されたが、
将来の受け入れ予定が何ら具体化されてなく、
受け入れ開始までの間、研修を兼ねた清掃業務に従事する申請があり、
「技術・人文知識・国際業務」の活動に当たらないものとして不許可となった。
適正な研修期間ではない
ホテルで、予約管理、通訳業務のスタッフとして採用され、
入社当初は1年間は研修期間として、
配膳業務、客室清掃業務をする内容の申請があったが、
同じように以前採用された外国人も
在留資格該当性のない配膳業務、客室清掃業務を予定された研修期間を
大幅に超える期間で従事していた事実が判明し、不許可となった。
技能実習と同じ?
電気部品の加工、組み立て、検査、梱包を行う会社へ
入社しようとする際の申請で、
当該工場で働く技能実習生と同一の業務であり、
「技術・人文知識・国際業務」の活動に該当性のないものとして、
不許可となった。
まとめとして
ここまで多くの不許可理由を見てきましたが、
その多くは在留資格「技術・人文知識・国際業務」の活動に
該当性のないものとして不許可になるケースでした。
在留資格は29種類あり、
それぞれの外国人の活動には制限が設けられています。
該当性のない業務に従事していれば、入管法違反となり、
許可の取り消しや強制退去といった罰則があります。
これは外国人個人に留まらず、
両罰規定により雇用する企業側にも「不法就労助長罪」という
重い責任が科されます。
知らなかったでは済まされない内容です。
外国人は日本の人手不足を救ってくれるヒーロー・ヒロインです!
在留資格制度を正しく理解し、正しく活用していきましょう。
レッツ ジャパンライフ!
在留資格に関するお悩みは、お気軽に当事務所へご相談ください。