
人生には、「想定外」と言われるものが多く存在します。
そのひとつが、想定外の「兄弟・姉妹」の登場です。
例えば、ある日突然、あなたのもとに「あなたの義理の弟にあたります。」と、
やってきた異父弟がいたとしたら???
そして「母が亡くなりました。あなたには相続放棄してまりたい。」と言われたら???
あなたなら、いったい何と答えるでしょうか。
事の始まりは・・・
あなたが幼いころ、両親は離婚し母は家を出ていきました。
その後、母は再婚をし、異父弟が生まれました。
異父弟の父(再婚相手)は長年にわたり会社経営をしていたため、
多額の財産を遺し亡くなり、
その後、遺産分割の手続きをする間もなく母も亡くなりました。
あなたと母とは、今まで一度も会うこともなく、
異父弟がいることも知らされていませんでした。
ある日突然やってきた異父弟に、あなたは何と答えますか?
ここで、相続人について考えます。
再婚相手の父が亡くなった時点では、母と異父弟が相続人です。
あなたはまだ登場しません。
母が亡くなり、この時の相続人が第一順位の子、異父弟とあなたになります。
しかし、今まで何の関りや面識もないあなたと異父弟で、
遺産分割協議をしなければならないことを考えると、面倒なことに間違いなく、
「相続放棄してくれ」と唐突に言われると、それも何か違う気がしませんか?
この場合、異父弟は「丁寧な説明」と「相談させてください」という、
謙虚な姿勢がとても重要な気がします。
確かにあなたとは何の面識もなく赤の他人とは言え、
あなたは権利として母からの相続権を持っていることに違いはありません。
そんな権利を一方的に放棄しろというのは、人権侵害にも当たります。
あなたもカチンとくることが予想されます。
権利を主張して、
今まで関りのなかった母と再婚相手の財産の一部を手にすることができたとしても、
後味の悪さが残りそうです。
異父弟としては、
生前の両親の生活の様子や財産を成すまでの苦労話などに加え、
これから会社を承継してやっていく意気込みなどを話し、
遺産分割の手続きなども調べて、あなたに丁寧な提案をしてみるべきでした。
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