【遺言・相続】「寄与分」と「特別寄与料」の違いは?

巷によくある話で、長男の嫁が献身的に義父の介護をしていたとしても、

当然に相続人にはなれないので、

遺産分割で寄与分として、財産を受け取ることが出来ないのがこの世の常ということになります。

これが相続人であれば、他の相続人と比べて特別なサポートをしていた場合には、

公平性を保つために、寄与分が認められる可能性が高いと思われます。

寄与分の要件

寄与分の認められる要件としては、次の点があげられます。

1,寄与行為をしたのが相続人であること

2,「特別の寄与」であること

3,寄与行為により被相続人の財産が維持または増加したこと

4,寄与行為と被相続人の維持・増加との間に因果関係があること

寄与分の類型

寄与分の類型としては次の5点があげられます。

1,家事従事型・・被相続人の経営する事業などに従事する場合

         (寄与者が受け取れたであろう給与ー生活費相当額)×寄与年数

2,金銭等出資型・・自宅購入資金の援助など財産上の給付をする場合

         (給付した財産の相続開始時における価格)×裁量割合

3,療養看護型・・病気療養中の被相続人の療養看護をする場合

         療養看護行為の報酬相当額×看護日数×裁量割合

4,扶養型・・・被相続人を引き取って扶養するまたは扶養料を負担する場合

         負担額×裁量割合

5,財産管理型・・賃貸物件の管理など被相続人の財産管理をする場合

         第三者に委託した場合の報酬額×裁量割合

以上のような寄与分の要件を満たさず、寄与分の類型に該当していなければ、

いずれにせよ寄与分が認められることは、ハードルが高いことのように思われます。

特別寄与料の制度

しかし、2018年の法改正により、

今まで相続人だけにしか認められていなかった寄与分が、

特別寄与料」として、その他の親族による特別な貢献として、

相続人以外にも認められるようになりました。

つまり、相続人ではない長男の嫁であっても、

無償で義父の介護を行い、その結果、介護サービスの利用料がかからず、

財産の維持に特別な貢献できたなどの明確な因果関係が認められれば、

「特別寄与料」が認められるという制度ができました。

尚、この制度の利用には、

特別寄与者が相続開始及び相続人を知ったときから6か月、または相続開始から1年が経過すると、

家庭裁判所への申立てが出来なくなりますので、注意が必要です。

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