
「貯蓄から投資へ」との掛け声が、政府からもあがっている昨今、
高齢者の中でも「有価証券」を保有されている方も多くなっているのではないでしょうか?
では「有価証券」をお持ちの方がもし、亡くなられた場合の相続とは、
いったいどのようなものなのか?
不動産や預貯金と違い「有価証券」は、
日常ではあまり馴染みのない方も多くいらっしゃると思いますので、
相続財産に「有価証券」があったときの対応について解説していきます。
相続財産に有価証券があったら
「有価証券」には、国債、地方債、社債、株式、投資信託などがあります。
相続した有価証券は遺産分割協議を経て、
受け取った相続人が名義変更又は売却をしなければなりません
気を付けたいのは、遺産分割協議が終わったあとに、
新たな有価証券などが出てきた場合には、
遺産分割協議をやり直すことの必要性や相続税の計算が変わってきてしまうことです。
そのため生前より有価証券等の有無の情報は、家族で共有しておきたいものです。
さて、相続財産に有価証券があった場合に、特定の相続人に承継される場合はともかく、
複数の相続人で分けることになった場合は、代表相続人を決めなければなりません。
そして代表相続人が、該当の取引金融機関に口座を持っていない場合は、
新たに取引金融機関に口座を開設しなければなりません。
また、代表相続人の口座に株式を移管する際には、
金融機関所定の書類に、相続人全員の署名と実印が必要になることが一般的です。
このような形で有価証券は、後に相続人の負担になることも予想されるので、
生前に適当なタイミングでの売却や、
遺言書で特定の相続人を指定、または分配方法などを明記しておくなど、
相続トラブルにならないための対策をとっておくことが必要です。
では次に、手続きのポイントについて解説します。
手続きのポイント
(1)承継・・・手続きのポイントとして、証券をそのまま引き継ぐ場合は、
証券会社の規定に従って名義変更をする必要があります。
(2)売却・・・相続人が複数なら代表相続人の口座に移管した後、売却して換金。
代表相続人から各相続人に分配します。
相続人が単独の場合には、そのまま口座に移管される。
(3)遺贈・・・遺言書で遺贈された場合は、受贈者が売却や承継のための名義変更を行う。
非上場株式は注意が必要
非上場株式の場合は、上場株式と違い、
発行会社がその株を買い取る規定が定められているケースがあります。
また、取引相場がないため、評価額の算定も複雑で、
売却や譲渡には、贈与税や所得税が課税される可能性があるので、
税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
遺言・相続でお悩みの方は、お気軽に当事務所へご相談ください。