
遺言書作成は、ハードルも高く、
高齢者の中には抵抗感を持つ方も多くいらっしゃいます。
家族間の争いを避けるため、
親に遺言書を書いてほしいと思っている方もいます。
しかし、これがなかなか難しいのが現実です。
そのような場合、何か対策はないのでしょうか?
4つの「キ」を理解する
子から親に「遺言書を書いて」とは、なかなか言いづらい、、、
かと言って、相続の際に揉めそうな気がする。
そんな心配をされる方も多くいらっしゃいます。
遺言書が原因で親子喧嘩になってしまうのは本末転倒と言えます。
親が遺言書を書きたくない「4つのキ」を理解しましょう。
(1)縁起(エンギ)でもない・・・遺言書を書くことは自分が死ぬことをイメージさせる
(2)まだ元気(ゲンキ)だから・・・死ぬ直前に書けば良いと思っている
(3)強気(ツヨキ)・・・家族が争うはずがないと過信して強気でいる
(4)疑心暗鬼(ギシンアンキ)・・・財産目当てで遺言書作成を要求していると疑う
このような事柄を理解した上で、
話を切り出すタイミングについて考えてみましょう。
タイミングに注意する
せっかく大事な話を切り出しても、
効果的ではないタイミングだったりすると、
話自体を受け入れてもらえない場合もあります。
相手の置かれた状況を考え、効果的なタイミングで話をしてみましょう。
(1)親又は身近な親類に体調の変化(病気、ケガ)があったとき
(2)盆や年末年始など家族が集まる機会
(3)回忌法要や冠婚葬祭などの節目のとき
いずれも心境の変化が起こりやすそうな時、ということになりますが、
気持ちを整理し、改めて話をするきっかけとしてみてはいかがでしょうか。
もしもの時はどうしよう?
いきなり「遺言書を書いてよ」と言われても、
恐らく返す言葉は「そんなの嫌だよ」となるでしょう。
具体的なことは避けて、
「もしもの時はどうしよう?」と問いかけてみることも効果的です。
その場で親が答えを出さなくても、後に考えるキッカケにはなります。
もし既に相続のことを考えていれば、具体的に話を聞く機会を作れます。
そして遺言書があれば、想い通りの相続が実行されることを伝えることもできます。
遺言書作成のメリットを伝える
遺言書作成をすすめる上で、
欠かせないのは遺言書作成のメリットを伝えることです。
主に以下のメリットを強調することが効果的かと思われます。
(1)家族の争いを避けることができる
(遺産分割協議を行う必要なし)
(2)家族の負担なく相続手続きがスムーズになる
(預貯金の解約、不動産の名義変更等が楽々)
(3)思い通りの相続が実行できる
(遺言執行者の指定により執行が容易になる)
これらのメリットを親に伝える際、
自身から伝えることを躊躇する方もいらっしゃいます。
行政書士などの専門家に比べて情報量も限られますし、
順序だてて分かりやすく説明するのには、
それなりに話し方に慣れていることが必要です。
場合によっては、専門家が行うセミナーに一緒に参加してみるとか、
家族会議に専門家を呼んで説明をしてもらうことも考えられえます。
注意すべきこと
親に遺言書を書いてもらうためには、
なかなか気を使うことも多く、精神的な負担も避けられません。
しかし、後のトラブルを防ぐことを考えれば、
時間的なことや金銭的負担なども予想されることから、
今できることをやる、という姿勢は決して無駄なことではありません。
しかし、注意しておきたいこととして、以下の内容があります。
(1)無理強いをしない
(2)急がない、急がせない
(3)みんなの幸せを最優先で考える
この3点は特に注意が必要です。
まとめとして
親の想いを実現すること、家族の紛争を防ぎみんなが幸せになること。
この大目的が根本になければ、遺言書作成には意味がありません。
決して無理せず、みんなが幸せになれることを一緒に考えていきましょう。
遺言書作成でお悩みの方は、お気軽に当事務所へご相談ください。